【高戸質問】
避難所指定されていない特別支援学校の災害対策について伺います。
市内には市立特別支援学校が4校、分教室が4つあります。本市の指定避難所に指定されていない特別支援学校はいくつあるのか、危機管理監に伺います。
【危機管理監答弁】
市立特別支援学校のうち指定避難所に指定していない学校は、中央支援学校と田島支援学校の2校となっております。なお、分教室につきましては、分教室が併設される小学校や聾学校を指定避難所に指定しているところでございます。
【高戸質問】
避難所に指定されていない特別支援学校が2校あるとのことです。特別支援学校に通う児童はスクールバス等で通っているケースもあり、在校中に災害が発生した場合、避難所指定の有無にかかわらず、学校内で一定期間過ごす可能性も考えられますが、教育次長に見解を伺います。
【教育次長答弁】
災害時の安全確保についての御質問でございますが、特別支援学校におきましては、児童生徒の在校時に市内のいずれかの地域に震度5強以上の地震が発生した場合は、児童生徒を保護者に直接引き渡すことを原則としております。特別支援学校につきましては、スクールバスで通学している児童生徒など、引取りに時間を要する場合も想定していることから、学校において保護している間においても、引き続き、災害用備蓄物資の確保に努めるなど、児童生徒の安全確保に取り組んでまいります。
【高戸質問】
一般の指定避難所においては、命を守るためのインフラとして、停電時の非常用電源、飲料水・生活用水の確保、トイレの整備が極めて重要であり、こうした設備は既に整えられているところです。一方、避難所に指定されていない特別支援学校においても、被災時には校内で一定期間を過ごす可能性があること、また福祉避難所としても位置づけられていることから、最低限のインフラ整備は不可欠であると考えます。そこでまず、避難所に指定されていない特別支援学校における医療用電源及び非常用電源の確保状況について、教育次長へ伺います。
【教育次長答弁】
停電時の電源についての御質問でございますが、指定避難所に指定されていない中央支援学校及び田島支援学校につきましては、指定されている特別支援学校と同様に、停電時におきましても、電源を確保できるよう、医療用にも活用可能な非常用の自家発電設備を整備しているところでございます。
【高戸質問】
整備されているとのことで、安心しました。
次に水道について伺います。大規模地震等の災害時に水道管が漏水して水が届かなくなるのを防ぐために各避難所への水道管路の耐震化は完了しているところですが、避難所指定されていない特別支援学校の水道管路の耐震化の状況について上下水道事業管理者に伺います。
【上下水道事業管理者答弁】
水道管路の耐震化についての質問でございますが、水道管路の延長は約2,50 0キロメートルと膨大であるため、小中学校等の指定避難所や災害拠点病院などへの供給ルートを「重要な管路」と位置付け、優先的に耐震化を進めてきたところでございます。こうしたことから、市立の特別支援学校4校のうち、指定避難所である田島支援学校桜校と、聾学校は耐震化が完了しておりますが、指定されていない田島支援学校と中央支援学校は、いずれも供給ルートの一部で耐震化が完了していない状況でございます。
【高戸質問】
避難所指定されていない2校は水道管の耐震化は完了していないとのことです。本市では現在、避難所に指定されている小中学校を対象に、マンホールトイレの設置に向けた調査を開始していると承知しております。また、すべての市立学校に対しては今年度予算において2日分の携帯トイレの備蓄を整備する計画が立てられています。従来は災害時に避難所として指定されている学校の備蓄倉庫にある携帯トイレを学校の児童生徒も使用するという前提で運用されていたと理解しています。しかしながら、避難所指定のない特別支援校2校については、備蓄倉庫自体が整備されておらず、現時点で携帯トイレの備蓄すらないという状況です。まずは最低限として、全ての特別支援学校に対して、携帯トイレの早急な備蓄整備を求めます。また、携帯トイレだけでは避難生活の継続に限界があることから、より安定的なトイレ環境の整備も検討していただきたいと考えます。そこで、避難所指定されている各学校に現在進めているマンホールトイレの設置調査において、避難所に指定されていない特別支援学校が対象となっているのか、危機管理監に伺います。
【危機管理監】
マンホールトイレ整備ついての質問でございますが、本年4月に議会にお示しした「新たな災害時のトイレ対策の考え方」におきましては、指定避難所となる市立学校等にマンホールトイレを整備することとしておりますが、発災時において、特別支援学校の生徒を安全に保護し、保護者のもとへ無事に引き渡すことは重要だと考えておりますので、学校の特色などを考慮しながら、災害時に対応しやすいトイレ利用について関係局と検討を行うとともに、発災時の状況等に応じて、迅速な対応が図れるよう取り組んでまいります。

【高戸質問】
非常用電源については整備されている一方で、水道管の耐震化が未整備であり、また、マンホールトイレの設置検討についても対象外とされていることが明らかになりました。避難所に指定されていない特別支援学校については、被災時に児童生徒が一定期間滞在する可能性が高いこと、また、二次避難所として福祉避難所に指定されていることを踏まえると、最低限のインフラ整備は不可欠であると考えます。先ほども申し上げましたが、この2校において携帯トイレすら整備されていない現状を見ると、避難所指定されていない特別支援学校の災害対策について、これまで十分に議論されてこなかったと考えざるを得ません。災害時において、避難所に指定されているか否かで学校にいる子どもたちの命が左右されるような事態があってはなりません。そこで、避難所に指定されていない特別支援学校における最低限のインフラ整備について、市長の見解と今後の方針を伺います。
【市長答弁】
災害時の安全対策についての御質問でございますが、災害発生直後の緊急な避難や危険が去った後、生活の場を失った被災者の臨時的な生活の場となる避難所について、ライフラインの確保は重要なものと認識しております。避難所に指定されていない特別支援学校につきましても、災害時には、児童生徒を一時保護する必要がございますので、現在備蓄している飲料水や食料等に加え、今年度中に携帯トイレを配備するなど、児童生徒の安全確保に努めてまいります。
在校中に災害が発生した場合、保護者による引き取りには相当の時間を要することが想定されます。現在、児童生徒数の3割分・2日間、3食の食料および飲料水の備蓄があると仄聞しておりますが、この備蓄には生活用水は含まれておりませんし、本当に十分といえるのか、改めて検証が必要だと考えます。また、今年度整備予定の携帯トイレについては、早急な対応が求め、今後のインフラ整備についての取組に大いに期待をします。今後も注視していきます。