子どもの事故予防について【令和7年第2回定例会一般質問のご報告】

  • 投稿の最終変更日:2025/06/24

【高戸質問】
子どもの事故予防について伺います。
窓やベランダからの転落事故予防についてです。

昨年、消費者安全調査委員会が発表した「住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故に係る事故等原因調査」の経過報告によれば、1993年から2023年までの31年間で、9歳以下の子どもが住宅から転落して死亡した事故は170件にも上ります。また、調査開始前のおよそ1年間で、すでに7名の子どもが同様の事故で命を落としていると報告されています。

また、転落箇所の死亡事故件数はベランダと窓が圧倒的に多くなっています。

また、死亡事故は幼児期が非常に多くなっています。消費者庁は、こうした事故の未然防止のため、窓への補助錠を付ける、ベランダに台になる物を置かないなど、事故予防対策の重要性を呼び掛けています。本市でも転落事故予防の観点から、「こんにちは赤ちゃん」訪問時に配布する冊子や両親学級テキストにおいて、窓やベランダからの転落事故防止策や注意喚起を盛り込むべきと考えますが、本市の見解を伺います。

【こども未来局長】
子どもの事故予防についての御質問でございますが、家庭内で起こりやすい乳児の誤飲や窒息、ベッドやソファーからの転落の予防については、母子健康手帳や両親学級のテキスト等、様々な媒体を活用した注意喚起や応急処置の方法を周知しており、また、新生児訪問では、事故予防の方法について、保護者に具体的な助言をするなどの取組を行っているところでございます。子どもの窓やベランダからの転落事故が発生していることを踏まえ、成長に応じた事故予防策を講じていくことは重要と認識しておりますので、今後につきましては、かわさき子育てアプリを活用し、年齢に応じたプッシュ型通知による効果的な周知、注意喚起を行ってまいりたいと存じます。

【高戸質問】
子育てアプリでの通知をいただけるとのこと、今後の啓発に大いに期待しております。
子どもの転落事故を防ぐうえで重要なのが、ベランダや窓から子どもが外へ出られないようにする「窓対策」です。ニューヨーク市では、落下防止の窓ガード設置を義務化したことで、転落事故が劇的に減少したという事例もあります。しかし、多くの保護者は「まさか自分の子に限って」と思いがちであり、補助錠の購入・設置といった行動に移すにはハードルがあります。注意喚起だけでは限界があるのが実情です。

国内でも、荒川区では1歳半健診の際に補助錠の配布と説明を行い、名古屋市では5歳以下の子どもがいる全世帯に補助錠を配布するなど、プッシュ型の取り組みが進んでいます。
本市においても、子どもの転落事故を未然に防ぐため、このような補助錠の配布などを通じた啓発の取組を検討すべきと考えますが、見解と今後の対応について伺います。

【こども未来局長】
子どもの転落事故予防についての御質問でございますが、窓やベランダからの子どもの転落予防策の一つとして、補助錠を配布することなどは、保護者への注意喚起や、事故が発生するリスクを減らす環境づくりにつながるものと認識しております。現時点で、配布については予定しておりませんが、引き続き、効果的な啓発方法について、他都市の事例なども参考にしながら考えてまいります。

【高戸】
効果的な啓発方法について、是非前向きな検討をお願いいたします。

両親学級のテキストに「換気をしよう」というページがあります。新鮮な空気を取り入れることは非常に重要である一方、先ほど来から申し上げている通り、窓を開けることは子どもの転落事故などのリスクに繋がります。実際、子ども転落事故の半数以上は、親が在宅中に発生していることが調査で明らかになっています。
両親学級のテキストにおいて換気を呼び掛けるのであれば、同時に、補助錠の設置など、窓の安全対策に関する注意喚起も必ず記載いただくよう、要望します。
子どもはどこにのぼるかわかりません。何をさわるかわかりません。何を口に入れるかわかりません。
目の前のことに素直に全力で行動します。まさに、予測不可能です。
事故は一瞬の油断で起きてしまいます。そして、事故が起きてからでは取り返しがつきません。
本市で悲しい事故が起きないよう、今後の事故予防に向けた啓発の充実に大きく期待いらします。

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