【予算審査特別委員会】学校給食の「質」をどう守る? ―委託炊飯のコストと無償化への覚悟―

令和8年、川崎市の小学校給食は「無償化」と「実施回数の増加」という大きな転換点を迎えます。この重要な局面において、限られた財源をいかに効率的に使い、給食の質を向上させていくか。前回の議論を踏まえ、一歩踏み込んだ提言を行いました。
年間1億円にのぼる「委託炊飯」のコスト構造
現在、市内26校では設備の都合等により、民間のパン事業者に炊飯を委託しています。しかし、この仕組みには大きなコスト差が生じていることが明らかになりました。

自校炊飯の米飯1食あたりの金額は、49円60銭。委託炊飯の米飯1食あたりの金額は、90円50銭。この差額(40.9円)を全市26校で試算すると、年間で約9,400万円(消費税込みで約1億円)もの追加コストが発生している計算になります 。この財源は現在、保護者からの給食費で賄われており、自校炊飯校との不公平感も課題となっています。
「使われていない炊飯設備」の謎
調査の結果、市内で4校(うち3校は令和2年度に設置 )、炊飯設備があるにもかかわらず活用されず、委託炊飯を続けている学校があることが判明しました。
これらの設備は約6年間活用されないまま経年劣化が進んでいます。この4校分だけでも、委託加工賃として年間約1,700万円が支出され続けている現状があります 。

本来炊飯が可能な学校で、なぜ委託費を支出し続けてきたのか。事業者との協議状況と今後の方向性を伺いました。
答弁を確認する
教育次長は、米飯導入時から支えてきたパン事業者との協議内容を説明。発注量が減少する中、これ以上の自校炊飯への移行は「事業廃止(パン供給の停止)」に繋がりかねないとの懸念が示されていると述べ、安定供給とのバランスを含め丁寧な協議を続けると答弁しました。
給食無償化と「教育長の覚悟」
来年度から始まる無償化に対し、保護者からは「質が低下するのではないか」という不安の声も届いています。物価高騰が続く中、どのように給食の質を維持・発展させていくのかを考えなければなりません。

無償化という新たな局面で、限られた財源を最適に配分し、より良い給食へと発展させるための教育長の覚悟を伺いました。
答弁を確認する
教育長は、「適切に1食あたりの単価を設定し、物価動向に左右されずに質を維持する」と明言。子どもたちが健康的な食生活を実践する力を育み、何より「楽しい給食の時間」となるよう、責任を持って充実を図ると力強く答弁しました。
目指すべきは「川崎ブランド」の給食
今回の質疑のポイントは以下の通りです。
- コストの最適化: 年間1億円規模の委託コストを見直し、財源を給食の質向上へ。
- 設備の有効活用: 既存設備の活用と、事業者との戦略的な協議を要望。
- 質の維持・向上: 無償化後も有機農産物の活用などを継続し、給食の価値を高める。
最後に

川崎の子どもたちが大人になったとき、「あの時の給食、おいしかったな」と懐かしむような、愛着の湧く「川崎ブランド」の給食へ。教育長の力強い答弁を形にするべく、今後も注視してまいります。
【メディア掲載】学校給食のコスト課題について報じられました

2026年3月12日付の東京新聞において、予算審査特別委員会での質疑内容が大きく取り上げられました 。記事では、本市の小学校給食における「委託炊飯」が、自校炊飯に比べて1食あたり約41円割高となっている実態が報じられています 。これにより生じている年間約1億円規模の財政負担という具体的な数字とともに、給食無償化という新たな局面において、限られた財源をいかに「食の質の向上」へ最適に配分していくべきかという当職の問題提起が紹介されました 。



