2問目は「学校におけるSOSを出せる環境整備について」。こちらは議員になる前から問題視をしていたものです。
子ども達へのアンケートの設問内容を教育委員会が把握していないのはどうなのか。
設問の一つ一つで、アンケートの取り方次第で、子ども達がSOSを出せるかどうか変わってくると考えます。
また、GIGA端末でも似たようなアンケートを取っている現状、どのように連携して対応をしているのか質問をいたしました。
下記、教育委員会とのやり取りになります。
【高戸質問】
学校におけるSOSを出せる環境整備について伺ってまいります。国が示す「いじめ防止対策推進法」ではいじめの防止等のために学校が実施すべき施策として、「学校いじめ防止基本方針の策定」があります。市内学校のHPにおいて毎年更新されていることが確認できますが、その「学校いじめ防止基本方針」には、定期的な学校生活アンケートによりいじめの早期発見につなげていくと示されております。いじめを早期発見するアンケートは設問一つ一つが大変重要だと考えます。そこで、現在市内学校において実施されているいじめを早期発見するための「学校生活アンケート」については、教育委員会として、設問内容の把握をしているのか、伺います。
【教育委員会答弁】
学校生活アンケートについての質問でございますが、
学校生活アンケートにつきましては、教育委員会事務局では、各学校の実施時期や回数といった実施状況について把握しておりますが、各学校が作成する個々の設問等の確認は行っていないところでございます。
【高戸質問】
アンケートの設問次第で子ども達がSOSを出せる環境が変わると考えます。教育委員会がアンケート内容の把握をしていない現状は、本市の課題と指摘せざるを得ません。見解と対応を伺います。
【教育委員会答弁】
学校生活アンケートについての質間でございますが、
学校生活アンケートにつきましては、教育委員会事務局が作成している「児童生徒指導ハンドブック」等において、アンケート項目の例示や活用方法等を周知しており、各学校では、児童生徒の実態に応じて実施しているところでございます。
その実施時期と回数は学校ごとに異なっておりますが、同アンケートの活用により、定期的に児童生徒の実態等を把握することは、いじめの早期発見・早期対応の手立てとして不可欠なものであると認識しております。
現在、一部の区の児童生徒指導連絡会議では、内容や方法等の情報交換を実施している事例がございますが、今後につきましては、全市の児童生徒指導連絡会議において、アンケート項目の検討や結果の活用方法等について意見交換を行う等により、より効果的なアンケートの実施に向け、取り組んでまいります。
【高戸質問】
子ども達の立場に立った設問作成や取組を求めます。
「川崎市いじめ防止基本方針」で示されている「かわさき共生*共育プログラム」の中の効果測定については、子ども個人の社会性と個人が所属する集団の人間関係を数値、視覚化して示すことができる調査として、平成22年度より実施されてきました。本年度より内容が拡充され、子ども達の抑鬱傾向やストレス反応を図ることが出来る5項目を追加し、子どもたちからのSOSを、より察知出来る仕組みとなったと確認しております。新しい効果測定の実施状況と今後の展開について伺います。
【教育委員会答弁】
「かわさき共生*共育プログラム」についての質問でございますが、
児童生徒のSOSをできるだけ早く発見し、受け止めることは、いじめや不登校等の未然防止において重要であると認識しております。そのため、「かわさき共生*共育プログラム」の効果測定につきましては、今年度から、児童生徒の抑うつ傾向やストレス反応を測ることができる新規項目を加えるとともに、GIGA端末で入力したデータを集計できる仕組みを構築して、年に3回程度を目安に全市立学校で実施しております。
新規項目から分かる児童生徒の抑うつ傾向やストレスの状態と、クラスや友達への頼感を比較することで、「順調そうに見えても、内面が満たされていない状態」などに教員が気付くことができ、結果の年間推移に少しでも低下傾向が見られた場合には声かけを行うなど、児童生徒のSOSの早期発見や早期対応につながっております。
今後は、年に2回の担当者研修会や各学校での研修において、効果測定の活用に関する好事例などを周知するとともに、より効果的な実施や活用に向けて、引き続き取り組んでまいります。
【高戸質問】
現状、子ども達へ「いじめに関するアンケート」を紙で、「かわさき共生*共育プログラムの効果測定」をGIGA端末で行い、内容は違えども何度もアンケートを取っていることとなります。過去のデータと比べることでより一層子どもたちからのSOSを早期に察知することが出来ると考えますが、「いじめの早期発見のための学校生活アンケート」と「かわさき共生・共育プログラムの効果測定」を併用した具体的な取組について伺います。
【教育委員会答弁】
SOSを受け止めた取組例についての質問でございますが、
児童生徒の社会性や豊かな人間関係を育み、いじめや不登校の未然防止等を図るためには、多面的に児童生徒理解を深めることが重要でございます。個人や集団としての社会性を客観的に把握するための資料の一つである効果測定と、学校生活アンケートや行動観察、面接等、様々な手法を併用し、互いに補完し合うことは、よりきめ細やかに一人ひとりの状態を把握するために有効であると考えております。
具体的な事例といたしましては、昨年6月に実施した学校生活アンケートの結果において、記述に気になる点があった生徒と教育相談を行いましたが、9月に実施した効果測定において抑うつ傾向がみられたため、再度、生徒への日常的な指導や教職員全体で生徒を見守る体制づくりに生かしたという中学校の取組がございます。
今後も、様々な事例を横展開し、全ての児童生徒がいきいきと個性を発揮できるよう、「かわさき共生*共育プログラム」の取組の充実を図ってまいります。
【高戸質問】
より一層、SOSを出せる環境整備へ注力頂くよう、要望いたします。また、保護者より「学校に対する保護者アンケートが記名式のため意見が書きづらい」という声をよく頂きます。保護者アンケートに対する現状を伺います。
【教育委員会答弁】
保護者アンケートについての質問でございますが、
各学校では、より良い学校運営に向けて保護者からの意見や要望等をいただくために、年度初めや年度末、また、行事等の終了後などに、アンケートを行っております。
アンケートの実施に当たりましては、その目的に応じて、実施時期や記名の有無、回答方法などを選択しながら、必要な情報の把握に努めているところでございます。
【高戸質問】
意見要望です。現在の取組については一定理解しましたが、保護者が声を届けやすくなるよう、記名の有無を選択制にするなど、より柔軟な取組を要望いたします。
引き続き、追っていきます。