決算特別委員会文教分科会のこども未来局に関連する質問報告

令和8年9月に、川崎市議会・決算特別委員会文教分科会が行われ、こども未来局に関連する3つのテーマについて質問を行いました。
- 子育て世帯訪問支援事業について
- こども文化センターわくわくプラザ運営費について
- ふれあい子育てサポート事業について
決算特別委員会は、市が前年度に執行した予算の使い方が適切であったかを検証する重要な場です。市民生活に直結するテーマを取り上げ、市の現状や課題を確認するとともに、今後の改善に向けて質疑を行いました。
子育て世帯訪問支援事業の執行率6.4%!期間設定を見直し利用しやすい制度への改善を求めました

家事や子育てに強い不安や負担を抱え、支援を必要としている家庭に対して、地域の中で適切なサポートを届けることは、児童虐待を未然に防ぐための重要なセーフティネットです。
本記事では、令和7年度から新たに開始された「子育て世帯訪問支援事業」の執行状況や、利用実績が見込みを大きく下回った要因、そして利用しやすい制度への改善に向けた市への質疑をご報告します。
課題・問題点の整理
新たに始まった子育て世帯訪問支援事業の運用実態を巡り、以下の課題が挙げられます。
- 著しく低い予算執行率と多額の不用額: 令和7年度の予算額約732万円に対し、決算額は約46万円にとどまり、執行率はわずか6.4%。約686万円の不用額が発生している。
- 利用実績の伸び悩みと地域差: 年間988人日の利用を見込んでいたが、実績は市全体で6世帯・65件にとどまった。また、川崎区・幸区・多摩区・麻生区の4区においては利用実績がゼロであった。
- マッチングや制度設計の壁: 対応可能な訪問支援員が限られていることや、市独自の「利用期間を原則3か月とする」設定により、終了後の見通しが立てづらく、対象世帯とのマッチングを難しくしている。
事業の執行状況と利用実績について

令和7年度の予算額、決算額、執行率、不用額について伺います。また、各区の利用実績と、利用勧奨を行ったものの利用に至らなかった主な理由について伺います。
答弁を確認する
令和7年度の執行率は6.4%、不用額は約686万円です。利用実績は中原区(2世帯・22件)、高津区(1世帯・31件)、宮前区(3世帯・12件)で、市全体で6世帯・65件でした(他4区は利用なし)。利用に至らなかった主な理由は、疾病による育児負担が認められたものの、御本人の意向で希望しなかったことなどによるものです。
実績が見込みを下回った要因と課題の分析について

見込み(年間988人日)に対し、実績が6世帯・65件にとどまった要因と課題をどのように分析しているか伺います。
答弁を確認する
令和7年10月の事業開始後、支援員の研修等があり実際の訪問開始が令和8年1月となった実施期間の短さや、利用勧奨が想定に至らなかったことが要因です。区役所へのヒアリングでは「時間帯によって対応可能な支援員が限られる」「利用期間が原則3か月のため終了後の見通しが立てづらく、マッチングが難しい」等の課題が挙がっており、今後は他都市の好事例を共有し利用促進を進めてまいります。
意見・要望

利用期間を原則3か月とする取扱いは、本市独自の基準です。支援を必要とする家庭の状況はさまざまであり、一律の期間設定が利用につながりにくい要因となっているのであれば、見直しの検討が不可欠です。
他都市の好事例も踏まえ、利用期間の柔軟化など、支援を必要とする家庭が実際に利用しやすい制度へと改善するよう強く要望いたしました。今後も、必要な家庭へ確実にサポートが届く体制づくりを求めてまいります。
関連資料一覧
かわさきし子育てガイドブック
川崎市では、これから出産をする方や川崎市で子育てをする方が、安心して子どもを産み育てることができるように、毎年、本市の子どもや子育てに関わる制度や事業、施設などについての情報を取りまとめ、分かりやすく紹介したガイドブックを発行しています。
こども文化センター及びわくわくプラザの運営状況と、子どもの安全に関わる評価基準の見直しを求めました

放課後や休日に子どもたちが安全に過ごし、豊かな体験を重ねる場である「こども文化センター」および「わくわくプラザ」の運営は、子育て家庭を支える上で非常に重要な基盤です。
本記事では、指定管理施設における支出超過の要因や人件費の現状、そして子どもの安全や権利に関わる事案に対する施設評価の在り方について市へ行った質疑をご報告します。
課題・問題点の整理

こども文化センター及びわくわくプラザの指定管理運営を巡り、以下の課題が挙げられます。
- 指定管理者の支出超過と人件費の増加: 一部の運営グループにおいて支出超過が確認されており、その主な要因は職員の賃金水準の上昇や利用児童数の増加に伴う職員の追加配置など、当初想定を超えた人件費の増加にある。
- 評価基準における課題: 一部グループの評価書で職員の不適切な対応に伴い「事故等対応・苦情等処理」の項目が低評価となった一方、現在の総合評価方式では他の項目によって重大な事案の影響が薄まる懸念がある。
指定管理施設の支出超過と主な要因について

指定管理者の収支において支出超過となったグループがいくつか確認できるが、その主な要因をどのように分析しているか伺います。
答弁を確認する
運営法人やグループにより異なりますが、職員の賃金水準の上昇や、利用児童数の増加に伴う職員の追加配置など、当初の想定以上に人件費が増加したことであると認識しております。
子どもの安全や権利に関わる事案の評価反映について

子どもの安全や尊厳に関わる事案が確認されても、他の項目の評価によって総合評価への影響が薄まる可能性がある。重大性をより適切に反映できるよう評価基準を見直すべきではないか見解を伺います。
答弁を確認する
子どもの安全や権利の保障は大変重要なものと認識しており、事案の内容によっては下位の評価となる場合もございます。今後は、今回の評価結果等を踏まえ、次期指定管理者の公募に向け、評価方法等について検討してまいります。
意見・要望

子どもへの不適切な対応には、個人の資質だけでなく、職員配置や業務負担などの組織的な要因も影響する可能性があります。物価高や賃金上昇などの社会状況の変化を踏まえ、サービスの低下を招かないよう、適切に検証することを強く要望いたしました。
子どもたちが安全で安心して過ごせる環境づくりを引き続き求めてまいります。
関連資料一覧
わくわくプラザについて
「わくわくプラザ」は、放課後児童健全育成事業(保護者が就労等により、放課後の生活の場が必要な子どもが利用する居場所)と、放課後子ども教室(放課後に少し遊びたい、体験活動をしたい子どもが利用する場)の2つを一体的に実施している仕組みです。下記の川崎市公式サイトより、制度内容や利用方法などをご確認いただけます。
わくわくプラザ施設一覧
川崎市の各区(川崎区・幸区・中原区・高津区・宮前区・多摩区・麻生区)のわくわくプラザ施設一覧がご確認いただけます。施設の名称や所在地、お問い合わせ先等がまとまっています。
よくある質問:わくわくプラザについて知りたい
川崎市公式サイトのよくある質問(FAQ)ページに、「わくわくプラザについて知りたい」という質問と回答が掲載されています。開設時間や費用、利用方法、登録申し込み、お問い合わせ先などの情報がわかりやすくまとまっています。
【ふれあい子育てサポート事業】新システム導入によるマッチング改善と、運用ルール標準化を求めました

子育て家庭における多様な援助ニーズを地域で支え合う「ふれあい子育てサポート事業」は、地域社会全体で子育てを応援する上で大変重要な役割を担っています。
本記事では、新たな業務管理システムの導入に向けた区域を越えたマッチングの改善や、市内4か所のサポートセンターにおける運用ルールの標準化、そして児童の安全確保に向けた取り組みについて市へ行った質疑をご報告します。
課題・問題点の整理

ふれあい子育てサポート事業の運営や利用実態を巡り、以下の課題が挙げられます。
- 区域を越えたマッチングの限定性: 市内4区域のセンターがそれぞれ会員情報を管理しており、区域を超えたマッチングは全体のわずか約0.5%にとどまっており、電話等による個別調整に時間を要している。
- センターごとの運用ルールの差異: 市内4か所のサポートセンターが作成する手引きにおいて、実費負担等の目安などに違いが見られ、利用者や会員に分かりにくさや不統一が生じている。
- 安全確保に関するルールの周知徹底と支援の必要性: 自動車による送迎時におけるチャイルドシートの着用等について、センターごとの手引きの記載に差異があり、法令遵守の徹底やヘルパー会員への貸出し等の安全支援体制の整備が求められている。
区域を越えたマッチングの改善について

新たな業務管理システムの導入を機に、各センターがシステム上で区域を超えて会員情報を共有・参照し、柔軟にマッチングできる仕組みとすべきではないかと思いますが、今後の運用方針はどうか伺います。
答弁を確認する
今後はオンラインシステムの導入により、各区域のサポートセンターが市全体のヘルパー会員から候補者を検索してマッチングにつなげられるようにするなど、区域を超えた利用を含め多様なニーズに円滑に対応できるよう改善を図ってまいります。
サポートセンターの手引きにおける運用ルールの標準化について

同じ市の事業でありながら、センターごとの手引きで食事代や送迎料金などの記載に差異がありますが、重要事項について共通化・標準化すべきではないか見解を伺います。
答弁を確認する
報酬額は市が定めているものの、実費負担等の目安等にはセンターごとに一定の差異があることは認識しております。重要事項の標準化が必要であるため、システム導入と併せて運用ルールや事務手順を整理してまいりたいと考えております。
意見・要望

自動車を利用した活動は全体の約7.1%を占めていますが、ヘルパー会員個人の所有状況に依存することなく、すべての子どもたちが安全に送迎を受けられるよう、市や各センターによるチャイルドシートの貸出制度の導入を検討することが重要です。
新たなシステムの導入を契機とした区域を越えたマッチングの円滑化や、4か所のサポートセンターにおける運用ルールの標準化を確実に進め、保護者もヘルパー会員もより安心して利用・活動できる環境づくりを引き続き求めてまいります。
関連資料一覧
ふれあい子育てサポート事業
ふれあい子育てサポート事業は、育児の援助を行いたい方と育児の援助を受けたい方(利用会員)が、会員同士で育児援助活動を行う制度です。援助活動の内容や、利用の流れ、利用料金など、制度の詳細は下記リンクよりご確認いただけます。
お問い合わせ先(ふれあい子育てサポートセンター一覧)
お問い合わせについては、お住まいの区を所管するセンターにご連絡ください。



