【高戸質問】
市立小学校の米飯委託炊飯について伺ってまいります。
小学校給食において米飯給食が導入された昭和59年9月より、設備面の都合から、自校での炊飯が難しい学校に対しては、民間事業者への炊飯委託、いわゆる「委託炊飯」の手法がとられています。実に40年以上です。
当初は約50校で委託炊飯が実施されていたと仄聞しておりますが、段階的に自校炊飯への移行が進み、現在では26校で委託炊飯を継続しています。そこで、児童1人あたりの米の金額、委託した場合の米飯の金額についてそれぞれ伺います。
【教育次長答弁】
米の価格等についての質問でございますが、児童1人1食当たりの米8 0グラムに係る保護者負担額は、自炊飯では、税抜き49円60銭、委託炊飯では、税抜き90円50銭となっております。

【高戸質問】
現在、児童1人あたりの米飯提供に係る金額として、自校炊飯では49円60銭、委託炊飯では90円50銭と伺っております。その差額、すなわち委託加工賃は40円90銭となります。

これを基に年間の費用を概算いたしますと、令和6年度の委託炊飯校26校の児童数が17,855人、1人あたり最大の喫食回数を187回、委託加工賃40.9円、給食全体に占める米飯の割合を64%、消費税の8%を加えると、年間で本市全体として94,390,546円もの委託加工賃が発生している計算となります。1億弱です。しかも驚くべきは、この費用は市費ではなく、すべて給食費、つまり保護者負担で賄われております。
昨年度は給食費の値上げについても議論がなされましたし、近年は全国的にも「給食の質」が課題として注目されております。そのような中で、この年間約9,400万円という委託加工賃が、保護者負担によって支払われており、しかもそれが「材料費」ではなく「委託加工費」に充てられている。この委託加工賃が給食の質に少なからず影響を及ぼしている、という実情は、重く受け止めるべきではないでしょうか。
本市では、児童数増加等で給食室を改修した場合に委託炊飯から自校炊飯に移行していると仄聞します。
今年度は委託炊飯校である高津小学校の給食室増築工事の完了が予定されていますが、今後の予定について伺います。
【教育次長答弁】
高津小学校の給食室についての質問でございますが、同校におきましては、本年10月に給食室の増築工事を完了し、その後、移転の準備等が整い次第、供用を開始してまいりたいと考えております。今後につきましては、自校炊飯への移行に向けて、給食調理等業務委託事業者との協議を進めてまいります。
【高戸質問】
まだ協議を始めてもいない、ということです。10月の給食室増築工事完了により給食室に炊飯設備が設置されることが決まっていながら、給食調理等の委託事業者との協議が現時点で何も進んでいないというのは、対応としてあまりにも遅いと感じます。

先程の計算で高津小学校の児童数で計算すると、年間約650万円です。移行が遅れれば遅れる程、この費用がかかってきます。こうした工事計画がある時点で、委託事業者と事前に人員体制や業務内容の調整に入り、工事完了後は速やかに委託炊飯から自校炊飯に切り替えるということは、本来であれば当然の対応ではないでしょうか。併せて、現在の委託炊飯先との契約調整について、その進捗状況を伺います。
【教育次長答弁】
委託炊飯についての質問でございますが、炊飯委託事業者との調整につきましては、自校炊飯への移行に向けた事前協議の時期等について、これまでも確認してきたところではございますが、今後につきましては、炊飯委託事業者と自校炊飯への移行に向けた協議を適時適切に行ってまいります。
【高戸質問】
炊飯委託先との協議もまだ行われていないとのことで、こちらも後手にまわっていると指摘せざるを得ません。そもそもですが、高津小学校の給食室の改修工事において、炊飯設備が設置されることが決まったのは、いつなのか、伺います。
【教育次長答弁】
高津小学校の給食室についての質問でございますが、同校における給食室への炊飯器の設置につきましては、増築工事の実施設計が完了した、令和5年度に決まったところでございます。
【高戸質問】
令和5年9月、高津小学校への炊飯設備設置が決定し、給食調理等の委託事業者の入札は同年12月に行われたと仄聞しています。給食調理等の委託事業者に対する委託費の試算においては、炊飯方法の違い、いわゆる自校炊飯か委託炊飯か、による調整はされていないと伺っています。であるならば、今回の高津小学校のように、炊飯設備の整備が予め分かっている学校については、入札時点から「委託期間中に米飯の炊飯が自校で実施される可能性がある」旨を仕様書に記載し、調整期間を見越した準備が必要なのではないでしょうか。まずは、高津小学校について、速やかに自校炊飯へ移行し、加工賃分を材料費として活用いただきたいと強く要望します。加えて、現在も委託炊飯を継続している残る25校についても、自校炊飯への移行が可能かどうか、炊飯設備の設置余地も含めて、改めて調査・検討を行うべきと考えます。そこで、委託炊飯校(26校)のうち、高津小以外の25校における自校炊飯への移行可能性について、今後の検討方針を伺います。
【教育次長答弁】
委託炊飯についての質問でございますが、今後につきましては、給食室の増改築等の機会を捉え、給食調理等業務委託事業者や炊飯委託事業者など、様々な関係者との協議を丁寧に進めながら、計画的に取り組んでまいります。
給食費は保護者の皆様からお預かりした大切な財源であり、子ども達の給食の「質」を守るために使われるべきものです。もちろん、給食室の増築には相応の予算を要することから、短期間で一気に進めることが難しい課題であることは、私としても理解しております。ただ、委託炊飯校が50校から26校へと減少するまでに、実に40年以上の歳月を要していることからも、時間をかけた漸進的な対応では限界があると感じております。今後、自校炊飯への移行を進めるにあたっては、給食室の増築だけに頼るのではなく、他の方策も含めて、早急に検討・対応を進めていただきたいと強く要望いたします。引き続き、注視してまいります。